RSS | ATOM | SEARCH
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

author:スポンサードリンク, category:-,
-, -, pookmark
海外に論文発表しない学者
 

海外に論文発表しない学者

                           平田 周

 

 慶応義塾大学のK教授(経営学専攻)から、論部の英訳について相談を受けた。論文というのは、日本語で大体16,000字程度である。英語にすれば約8,000語。翻訳業界の相場では、翻訳料金は専門文献というので、日本語1字25円もするから、1つの論文で40万円もすることになる。私が開発したEJ翻訳法でやれば、その1/3程度でできるが、研究者にとってはそれでもかなりの負担である。自分でやれば、最後はネイティブにリライトイを依頼しても、5万円程度なので、かなり実用に近づく。

 

 翻訳料金が、日本の学術論文(自然科学系を除く)を海外に発表する際の高いハードルになっているのだと思っていたが、K教授の話では、日本の人文・社会学系学者は海外の学術雑誌に論文を発表することは、そもそも考えていないのだそうだ。

 理由は、多くのそうした学術ジャーナルは、ある種の仲間ができていて、飛び込み的に論文を送っても、掲載されるチャンスはほとんどないとのことである。とくに著しいのはHarvard Business Reviewで、欧米人学者でもごく限られた人しか発表されることはないらしい。日本人経営学者では、暗黙知が売り物の野中郁次郎氏程度だという。

 英文の論文を書いても、採用されるチャンスがないのなら、書く意欲がなくなるのも当然である。しかし、認められるようになるには、努力が必要なのではないか。日本は20年にわたるデフレ経済に悩まされ続けてきた。世界のどこも戦後、経験したことのない問題である。これについて、なぜ日本人経済学者の論文が世界に通用しないのか。外国の経済学者や政治家に興味がないわけはなかろう。

 

 K教授いわく、日本の社会科学者は、日本国内で認められるだけで精一杯で、世界で知られるようになるなど、まったく頭にはない。外国で博士号をとったという人でも、海外の著名な学者と共著というかたちで論文が載るという程度だという。

 日本の学界で認められたり、論争したり(めったにないが)するだけで、世界を意識することはないというのである。これでは、研究レベルが向上しないのも当然である。世界に通じないのは、政治家だけではない。学者(自然科学系を除く)も同じなのだ。これでは、若い人たちに、グローバルをめざせといっても、空しいものがある。その意味では、企業は海外で頑張ってきた。

 

 論文や著書を安いコストで英語にできるようにすれば貢献できると思っていたが、それだけではダメなのだ。海外に向けて発表できる場所をつくらねばならない。幸い、電子書籍の時代がやってきた。日本の本や日本についての情報を開示するTokyo Digital Book ShopというのをAppleに作ろうと思っているが、ここに、アカデミックな人文・社会学系の論文を置くコーナーを設けておくのも一策ではないだろうか。あらゆるルートを通じて、TDBSの宣伝を海外に向けてすればいい。出版することにコストはかからない。

 しかし、肝心のTDBSの構想に、企業はどこも関心を示してくれない。所詮、日本は情報鎖国の国だということなのか。自然科学とアニメとマンガ、そしてごく一部の小説しか、世界に発信するものがないとは、情けないことである。

author:平田 周, category:社会, 05:02
comments(1), trackbacks(0), pookmark
スポンサーサイト
author:スポンサードリンク, category:-, 05:02
-, -, pookmark
Comment
日本人学者が社会科学の海外ジャーナルに投稿して採用されない、なんてことはないです。私はPhDを取得して6年ですが、すでに7本はフィースト・オーサーで採用されています。いろいろ理由をつけて挑戦しない日本人が多いのが問題なのです。
本田圭佑じゃないけど、日本を変えたい。変えなければ、このまま行くと、世界から取り残される。学者ももっと危機感を持たないと。
がんばれ!サッカー日本代表, 2013/06/17 11:06 AM









Trackback
url: http://groupjande.jugem.jp/trackback/214